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医師イメージ

​鼻閉(鼻つまり)のお悩み

小児の鼻閉(鼻つまり)について​

子供さんの鼻が何らかの原因によってつまってしまうと、鼻での呼吸ができないため

口呼吸になってしまいます。特に睡眠中の鼻閉(口呼吸)によって乳幼児期には嚥下障害(飲み込みにくい)や哺乳障害が起こり、また年齢とともに神経・精神機能、認知、行動の障害、学業成績の低下、顎顔面の成長異常、肥満などが起こることが指摘されています。

また慢性的な鼻閉によりのどの負担が増えるため風邪を引きやすくなるといわれています。

鼻閉の診断

鼻閉の診断に鼻内の丁寧な観察は必要不可欠です。鼻中隔弯曲(鼻の柱の曲がり具合)、鼻粘膜の色調や腫脹の程度、鼻汁の性状(粘性?水様性?)鼻汁のたまる場所、後鼻漏(鼻汁が鼻の奥からのどに流れ落ちること)の有無やそれに伴う咳や痰の状態を判断します。

鼻閉を起こす代表的な病気にはアレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎があります。

鼻アレルギー

アレルギー性鼻炎

花粉が原因の季節性、ダニやハウスダストが原因の通年性に分類できますが、最近はどちらも反応がある子供さんが増えています。基本的には鼻内の観察結果などから抗ヒスタミン剤(抗アレルギー剤)やステロイド点鼻などでコントロールします。内服薬が子供さんに対して効果があるかを慎重に観察しますが、効果が無ければ早急に薬の変更をします。

現在はスギとダニに対して舌下療法(アレルギーの原因物質を少量ずつ自分の体に入れていき自分の免疫を高める方法)があります。これは唯一の根本治療とされていますが、最低3年間継続する必要があり、ご家族とコニュニケーションをとりながら適応を判断しています。

慢性副鼻腔炎

5歳以上になると鼻の周りにある副鼻腔が発達します。この部位に炎症が加わることにより副鼻腔炎が起こります(アレルギーが原因の好酸球性副鼻腔炎もあります)。

典型的な症状は膿性鼻汁(粘っこい鼻汁)、鼻閉やいびきなどです。炎症を繰り返した結果、副鼻腔の粘膜が変化を起こすため治療の主体はこの粘膜変化を正常に戻すことにあります。そのために殺菌力の弱いマクロライド系抗生剤を長期に服用します。15歳を越えてくると症状によっては手術の適応となります(内視鏡下鼻・副鼻腔手術)。

当院では矯正歯科と連携して子供さんの鼻閉の改善を行っており、鼻閉が改善できた子供さんは歯科矯正も良好な結果が出ています。

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